実家を相続すると起きること
こんにちは。草加市民ハウジングの深井です。
本日は不動産の中でもよくあるご相談事を私なりの視点でまとめました。
ぜひご覧ください。
「そのうち何とかしよう」と思っていた実家が、いちばん厄介になる話
こんにちは。草加市民ハウジングの深井です。先日、草加でお店をやっている知人から「親の家、どうしたらいいと思う?」と相談を受けました。ご両親が施設に入られてから2年ほど誰も住んでいない一軒家で、庭の草はもう腰の高さまで伸び、雨戸も一部壊れかけている状態でした。「そのうち片付けよう」「忙しくて手が回らない」——そう思っているうちに時間だけが過ぎていく。実はこれ、草加市内でも決して珍しいケースではありません。
今回は、相続した実家を空き家のまま放置することで実際に何が起こるのか、そして草加市に住む方が知っておくべき制度について、できるだけ実務ベースでお伝えします。
「まだ大丈夫」が一番危ない
空き家を放置していて多くの方が最初に痛感するのが、固定資産税の問題です。「空き家は税金が6倍になる」という話を耳にしたことがある方も多いと思いますが、これは誤解も含んでいて、正確には少し違います。
いきなり6倍になるわけではなく、 空き家の固定資産税が最大6倍になるのは、自治体からの「勧告」を受けた翌年度からで、放置した瞬間に上がるわけではなく、行政の調査や指導を経て改善されなかった場合に対象となります 。つまり、いきなり増税されるわけではなく、行政からの「助言・指導」という段階を経て、それでも状態が変わらなければ「勧告」に進み、そこで初めて税制上の優遇(住宅用地特例)が外れる、という流れです。
ただし、油断は禁物です。 行政の目は年々厳しくなっており、ご近所からの通報をきっかけに突然調査が入るケースも少なくありません 。「うちは山の中じゃないから大丈夫」ではなく、むしろ住宅密集地である草加市のような場所こそ、近隣からの苦情が調査のきっかけになりやすいと感じています。
指定される空き家がどんな状態かというと、 そのまま放置すれば倒壊など著しく保安上危険となるおそれがある状態や、そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれがある状態の空き家 が典型例です。加えて2023年の法改正以降は「特定空き家」の一歩手前の段階である「管理不全空き家」という区分もでき、 1年以上誰も住んでいない状態で、倒壊・衛生・防犯・景観面で問題が生じ始めている空き家 もこの対象に含まれるようになりました。「まだ特定空き家じゃないから平気」と思っていると、この管理不全空き家の段階で先に指摘を受ける可能性がある、ということです。
更地にすればいいわけでもない
「じゃあ壊してしまえばいいのでは」と考える方も多いのですが、これも一筋縄ではいきません。建物を解体すると、今度は土地にかかっていた住宅用地の特例そのものがなくなるため、結果的に更地の方が税負担が重くなるケースがほとんどです。だからこそ「壊すに壊せない」というジレンマを抱えて、そのまま何年も放置されてしまう実家が実際に多いのだと思います。
草加市で相談できる窓口と、意外と知られていない制度の話
ここからは草加市特有の話です。草加市には、空き家そのものを解体するための単独の補助金は今のところありません。 草加市には空き家除却単独の補助金制度はありませんが、解体工事に関連する制度を組み合わせることで費用負担を軽減できる場合があります 。その中で実用性が高いのが危険ブロック塀等撤去補助金で、 補助率2/3・上限40万円という埼玉県内でも上位水準の補助内容 となっています。ブロック塀が古いお宅であれば、解体を検討するタイミングでこの制度もあわせて確認する価値があります。
一点注意していただきたいのが、木造住宅の耐震改修補助です。「補助金があるなら実家の耐震改修に使えるのでは」と思われがちですが、 対象は1年以上自ら居住している個人が要件であり、空家は対象外 となっています。つまり、人が住んでいない実家にはそもそも使えない制度なので、ここで期待外れになってしまう方を何人か見てきました。
では空き家を抱えて何から手をつければいいのか。まずは 空き家相談窓口(住宅政策課 048-922-1798)に相談して、状況に応じた施策の検討をする のが、市の制度を無駄なく使うための最初の一歩です。建替えを前提にした解体であれば、耐震改修補助を除却費用として申請できる可能性もゼロではないため、事前相談の段階で確認しておくと選択肢が広がります。
もう一つ、見落とされがちなのが解体後の登記です。 建物滅失登記を行わないと、解体後も登記簿上は建物が存在することになり、固定資産税の課税対象から外れない場合があるほか、土地の売却・再建築に支障が出ることがあります 。せっかく解体費用をかけたのに、この手続きを忘れていたために税金が変わらなかった、という話も実際にあります。
結局、どうするのが一番いいのか
ここまで税金や制度の話をしてきましたが、実務者として率直にお伝えすると、「使う予定がまったくない実家」であれば、放置期間が長引くほど選択肢は狭まっていくというのが実感です。庭木が伸びる、雨漏りが始まる、建物の傷みが進む——時間はこちらの味方をしてくれません。
逆に言えば、早い段階で「売る」「貸す」「更地にして活用する」のどれが自分たちの状況に合っているかを整理できれば、税金面でも精神的な負担の面でも、かなり楽になります。冒頭の知人の実家も、結局は市の窓口に一度相談してから、現況のまま売却する方向で話が進み始めました。「相談したら急に前に進んだ」というのは、空き家問題ではよくあるパターンです。
草加市内で相続した実家をどうするか迷われている方、「そろそろ動いた方がいいのはわかっているけど、何から始めればいいかわからない」という段階の方は、一度お気軽にお声がけください。売却の可能性だけでなく、賃貸活用や解体の相場感まで含めて、実情に合わせてご相談に乗ります。



















